「夜の方はまったく・・・。」彼女はゆっくりと、話しだした。名前は「知恵」。知性に恵まれた子に育って欲しいとの願いでつけられた、自慢の名前だ。小さい頃から両親の愛情を一心に受け、とても幸せな時間を過ごしていた。名前の由来である知性にはなかなか恵まれなかった。おっとりとした性格で、争いを嫌う。知性というより愛情を重んじた性格だ。そんな性格でも両親は変わらぬ愛情で知恵を育ててくれた。高校は私立高校に通い、大学はそのままエスカレーターで女子大へ。男性との出会いはなくはなかったが、多くはなかった。大学を卒業して中小企業の事務の仕事に就いた知恵。そこで今の旦那様と出会う。