閉鎖病院 前編~閉鎖病院 後編

水野麻由は、青島総合病院の新人看護婦。今日からは看護婦として仕事だけに生きることを決意していた。青島総合病院には、石神英太郎という大物議員が入院していた。石神は地位を利用して、次々と担当の看護婦を食い物にしている悪質患者だった。すでに病気も治り、退院してもいいのだが、居心地のいいこの病室に居座ってしまっている。病院側も暗黙の了解で見過ごし、看護婦からもいつ担当が自分の番になるか恐れられていた。麻由が初出勤すると、同僚の看護婦達は冷たい視線を麻由に注いでいた。「かわいそうに」「初日そうそうあいつの看護だなんて」所々から看護婦達のヒソヒソ話が麻由の耳に入ってくる。

続きを見る »