囚われのツインテール
- アニメ
- マニアックな係長
俺にとってイイ女とはイコールで都合のいい女だ。変に駆け引きをしてくる奴や、考えていることの分かりづらい女の相手なんて時間の無駄だろう。言葉だけでなく、目が、手が、空気がそいつの気持ちを伝えてくる。それくらい分かりやすく、都合のいい女を俺は求めていた。そして、その願いは思いがけない場所で叶えられた。雑誌モデルのようなスタイル、少し焼かれた健康的な肌、何よりヘラヘラとした気の抜けた笑顔。出逢った瞬間からこいつはきっと男にとって都合のいいタイプの女だろうとの予想が立った。その予想はすぐに確信へと変わる。初体験の相手は自分の倍の歳の男だったらしいが、みどりは「ちゃんと付き合ってたよ。すぐに別れちゃったけど・・・」と言う。
はるかはアクセサリーが好きだ。それはもう小さい頃から光り物が好きで、キラキラしたガラスや石を集めたり、おまけについてくるアクセサリーが目当てで駄菓子を親にねだったりしていた。一つ一つを大切に宝石箱にしまっておいてあるので、自室は宝石箱だらけである。以前、彼女のご近所に15歳くらい年上のお兄さんが住んでいた。はるかの父とそのお兄さんの父親が同じ職場という理由で、赤ん坊のころからお兄さんに遊んでもらっていた。はるかはお兄さんのことが好きだった。彼女がまだ小学校低学年の頃、お兄さんは手作りのアクセサリーをくれた。お兄さんは趣味でよくアクセサリーを作っていると言っていたが、もらうのはそれが最初で最後だった。
モノトーンくみこ。彼女は白と黒が好きだ。服装は大抵白と黒、持ち物も白と黒が多めだ。下着はビビッドピンクなのだが――。彼女が白と黒を愛しているのには理由がある。ピアノが大好きなのだ。小さい頃からピアノを習い、実家にあるグランドピアノと成長を共にしてきた。将来はピアニストかなぁ?などと母親には言われていたが、くみこはピアニストになろうなどという気はちっともなかった。ピアノは大好きだが、ピアノを弾くことはあまり好きではなかった。あの黒くてぴかぴか光っていて大きくて硬い躰、叩けば綺麗な音を奏でる鍵盤。見た目やその性質が好きだった。上手く弾けないから弾くことは好きになれなかったが、一緒に居れるだけで幸せだった。