人と異形が血で血を洗った数百年の昔――――から、時は移って現代。人と異形の共存のため、害をなす人外の者を人知れず退治・封印する使命に生きる者たちがいる。守護を失い“ただの人間”を曝け出したすずなには、もはや抗える術はなかった。妖魔どもの苗床として、犯され、孕み、また犯される。絶望は一瞬。すずなの精神は恐怖の暇もなく限界を越える。そして。薬師寺レイカに至っては、三人がもはや戻らぬであろうことを悟る間さえもあったのかどうか。高貴な血の為す美しい柔肌に、おぞましき触手の群が走る。奪われる自由。妖魔の子を孕む苗床が、また一つ増えることになる。