香織は昔から引っ込み思案で自分に自信のない子だった。家でも、学校でも、人間関係でも。クラスの中心から少し離れたところで、楽しそうに騒ぐクラスメイトを微笑みながら見ているのが楽しかった。ずっと目立たない、地味な女の子だったのに、高校のある時期を境に妙に注目されるようになってしまった。香織の母親もそうであったように彼女も胸がどんどん育ち、高校の制服は上だけ三度も変える羽目になってしまったのだ。今まで静かに生きてきたのに、性欲真っ盛りの男子たちからの好奇の視線に晒され、自分の身体に思い悩む日々が続いた。