初々174

今から一年程前。とある田舎町に彼女は住んでいた。学生の彼女は学校に行く為、近所の駅へと向かっていた。駅の周辺もそこまで発展しているわけではなく、毎朝決まったコンビニで朝ごはんを買っていた。コンビニでバイト経験があった彼女は、商品を買うときにバーコードを上に向けて差し出す癖がついていた。するとある朝、いつものようにパンと飲み物を買うと顔も知らぬ店員から、「いつもありがとうございます」と声をかけられたのだった。一瞬、お決まりの店員の挨拶のようにも聞こえたが、何か違和感を感じた。

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